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リハビリ

頚損脊損のリハとは

リハビリっていうと弱った筋肉を強くする筋力強化訓練や固まった関節をほぐすような訓練、または脳卒中と同様の訓練をイメージすることが多いのではないでしょうか?

頚髄損傷や脊髄損傷のリハビリを実施している人は異なった意見を持っていると思います。

まず、筋力強化訓練は大切ではありますが、ケガをして体の動きが分からないような時期に積極的に行うということは少ないと思います。

イメージですが、体が出来上がっていない小さい子どもに筋力強化をさせるというということに違和感を感じませんでしょうか?

当事者の皆さまは、そうは言っても力が入らないので、筋力訓練を積極的に行う必要があると思うかもしれません。

少し話が変わるのですが、筋力を十分に発揮するには、力を入れる部分とは反対の筋肉に力を抜けるかどうかがポイントというのは理解できますでしょうか?

具体的に言うと、肘を曲げるには上腕2頭筋という肘の上にある筋肉が収縮し、かつ、肘を伸ばす上腕3頭筋という筋肉が弛緩(力が抜ける)する必要があります。

もし、上腕3頭筋に収縮があれば、肘を曲げる上腕2頭筋の動く妨げをしてしまうのです。

これは分かりやすい例として挙げていますが、人が動く際には、力を入れるということと同時に、反対側の力が抜けている、もしくは調整されていることが重要なのです。

肘を曲げる筋肉と伸ばす筋肉が同時に作用している人の動きは一目瞭然であり、力任せの努力的、非効率的、効果的な疲れる動きになってしまいます。

よって、筋力強化よりも自分の体の使い方を経験する、自分の体を知る、動きを学習するなど、少し変わったリハビリが必要になるのです。

また、麻痺している部分に対する考え方もやや特殊かもしれません。

麻痺しているから、完全に感覚も運動もないから、リハビリに関係ない、もしくは、関節が固くならなければ良いと考えるかもしれません。

現在は、麻痺して動かないかもしれないが、麻痺していない部分を活用して積極的に知覚(麻痺域が動いているなぁと、動く部分で感じる)し、活用するという考えが主流だと思います。

良くあるのが、寝返り動作の骨盤の重さを感じて麻痺していない部分で動かしたり、移乗動作での足の位置などです。

手の麻痺がないと、または軽いと、どうしても力任せの動きになるのですが、そのような時には麻痺部位をどのように生かせば、楽に効率的に動くことができるのかを考えて、麻痺域を考慮した動きの練習が必要です。

では具体的にどうするかというと…、言葉では伝わりにくいので、当法人のリハビリを見てもらうのが良いかもしれません。


リハビリというと自分のことができるようになるための訓練という印象があるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

私は趣味、旅行、スポーツ、余暇活動、買い物、家事、就業、性活動、社会参加など人間が社会で生きていくために必要なことはすべてリハビリの範疇であると思っています。

社会的、制度的、環境的なバリアーを克服するのもリハビリですし、心理的な支援をするのもリハビリです。

さらに、地域での自律した生活を推進するのもリハビリになります。

なんでもかんでもリハビリにするなという意見もあるようですが、当事者が望み、支援者がエンパワーメントの視点を持ち、信頼関係を構築して進めるのであれば、リハビリと呼んでもよいと思います。

(2016.1現在)

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