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クッション

クッションというと臀部の除圧がメインテーマになるかと思いますが、圧管理は奥が深いです。
単純に、除圧だけを考えたらロホクッションのハイタイプという結論ですがそんな簡単ではありません。

クッションを選ぶときの視点です。
・坐骨、尾骨の圧管理
・座位の安定性
・姿勢
・移乗動作

まず圧管理は臀部を触っただけでは分かりにくいものです。やはり、圧センサーで評価するのが、妥当です。ただ、圧センサーは高額なので、リハビリ施設でも購入していないこともあるでしょう。

大切にしているのは、クッションがどの程度の除圧能力があるかというよりも、頚損の方がそのクッションでどの程度の除圧能力があるかです。
除圧がきちんと可能であれば、座位での褥瘡のリスクは低いと考えられますので、クッションの除圧能力よりも、座位の安定性や移乗の安定性を重視しにいきます。

さて、その圧ですが、いくつになればいいかという数値は個人差が本当に大きいので提示するのは容易ではありませんが、誤解を恐れずに個人的な見解を述べるのであれば、きちんと臀部と大腿部に圧が分散しているという条件下では、最大圧が50mmHG程度になれば良好と考えます。
そうすれば、どんな方でも除圧動作をすることで、40mmHG以下まで圧を軽減させることが可能なので、褥瘡はかなりの割合でできないだろうと予測できます。

続いて座位の安定性。そもそもクッションの圧管理には空気圧、ジェル、ウレタンが主流です。それらを組み合わせたものもありますし、坐骨部があいているものもあります。
以前は空気圧のクッションは圧分散には適していましたが、空気の移動する場所など改善があり、安定性は高くなっています。
もっとも安定しているのは、坐骨・尾骨があいているクッションです。

つづいて姿勢です。ジェイクッションではアンカーサポートといって、坐骨が前に移動しないような構造です。座っているとどんどん前にずれていくという方にお勧めです。

最後に移乗動作です。
頚損の方でタテ乗り移乗動作がギリギリという方は、臀部を前方に移動するときに移動しやすいものを選択する必要があります。

クッションを選択する際の選択肢として私が勧めているのは使い分けという提案をします。 仕事をしていたり、デートしたり、集中して勉強したいときに何分毎に除圧をしないといけないと言われても、うっとうしいでしょう。
そのようなときは、動かない状態でもっとも除圧能力が高いクッションを選択するのです。 あとは、個人の好き好きといったところでしょう。
ちなみにクッションの価格はほとんど変わりません。これはクッションの助成額が5万円であり、これに合わせているからと考えられます。

クッションは、ロホ、ジェイ、バリライト、カンツァーなどの種類がありますので、車いす業者、セラピストとよく相談の上で決めて下さい。

くれぐれも、高機能なクッションを使用しているだけで、自分の褥瘡のリスクが低下しないことに注意してください。

褥瘡のリスク管理はシーティングといって、車いす全体で考えるものです。
本当に残念なのですが、高機能のクッションに乗っているのに、大腿部が浮いている、大腿部に足りないほどのクッションなど、そもそもクッションの前に・・・・と言いたい場合が多々あるのです。
高機能のクッションに乗れば、褥瘡ができないということではないのです。


<2016.1現在>

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